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十七燭…真実
《E‐504地点》
高速道路の入り口付近…何台もの車が破壊され、炎上している。
卯月「助けていただいて、ありがとうございます。しかし…さすがですね…ゲイボルグの手練を、あっという間に皆殺しとは…」
真黒の装甲に身を包み、蝙の翼を生やしたパライーターは返り血を拭きながら卯月を見る。
黒い奴「…まもなく、ONEが最終決断を下す。お前は…我らの中でも戦闘能力が高く、賢い。万が一の事があっては、大きな損失となる。さぁ、ここは私にまかせて…退け」
ブゥウゥゥゥゥゥ…キキィ!!
猛スピードで、一台のパトカーが走ってきて急ブレーキをかけて停まった。中から現われたのは、レイナ達であった。
レイナ「こら、蜘蛛女!逃げてんじゃねぇぞ!!…ん?新しいのが増えてるじゃねぇか…萎えるわぁ」
黒い奴「……」
無言で睨み合うレイナと黒いパライーター。
ひょこん
遅れて車から降りたフェルの視界に、黒いパライーターが映る。
フェル「!?おぃ…マジか…」
戦闘態勢に入ろうと、構える卯月に手を伸ばして止める黒いパライーター。
黒い奴「行け…」
卯月「…はい。『ハルバード』様」
レイナ「!!」
フェル「五体バラバラに切り刻まれ…あのまま『朝』を向かえて食われちまったと思っていたが、寄生されていたとはな…」
フェルには、一目でわかった。なにしろ、自分の身体が憑いているのだから…
レイナ「マジかよ…ハルバードが、寄生されてたって言うのかよ!?」
うろたえるレイナに、ハルバードは攻撃を仕掛ける!黒い翼が刄となり、襲い掛かる。
ズシャ!
ズシャズシャズシャ!
紙一重で連続攻撃を躱すレイナ。反撃にソーコム改を撃ち放つ!!
キィン…
あっけなく弾き返される弾丸…レイナは懐からカードを取出し、限定不死を発動させた。
レイナ「なるほど…空気読めない所を見ると、マジでハルバードらしいな!悦べ…私が逝かせてやる!!」
言葉とは裏腹に、手が震えるレイナ。兄のように慕った人。憧れだった『ジュディ』の恋人…しかし!パライーターとなった人間は、元には戻らない。殺す事こそが、救いなのだと自分に言い聞かせる。
ハルバード「噂には聞いていたが…本当に、限定不死になっていたか…哀れな女だ。ジュディをパライーター化させるのを邪魔したのも…お前か?レイナ」
耳を疑った。
ジュディをパライーターに襲わせたのは…他でもない、ハルバードだった。
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