十八織…接吻

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十八織…接吻

《病院》 梅原「いや~腕じゃなくて良かったぜ。子供、抱けなくなるもんな!これぞ、不幸中の幸い!!」 フェル「いや~まさか、胴体切り離されるとは思わなかったぜ。悪魔に生まれてよかった…しかし、さすがに今夜は安静にしてねぇとヤベェな」 レイナ・舞・享・ジンギ・サラ(…元気だなぁ…) あまりにも元気な梅原とフェルを見ていると…心配していたのが、馬鹿らしくなってきた。 舞「隊長。義足、作らせておきます。フェル君、今晩は私がつきっきりで看病しますからね♪」 サラ「あら、フェルってば彼女できたんだ?」 フェル「まあな!」 ジンギ「ちっ…こんな悪魔犬のどこがいいんだ…それより、梅原って言ったか?お前…男だな!足切られても戦うなんて、普通はできねぇぞ!?」 にぎやかな病室から、享が出ていこうとしていた。享は、梅原と目が合った所で一礼した。 享「隊長。お先に、失礼します」 梅原「おう、享。顔色悪いぞ?しっかり休めよ」 病室を出る享に、レイナが声を掛ける。 レイナ「…出かけるのか?」 享「ちょっと、用事があるんですよ。お先に失礼します」 レイナ「…用事、終わったら…」 小さな声で、享を呼び止めるレイナ。享は振り向いた。 享「何か、言いました?」 享の顔色は、梅原の言った通り…あまり良くない。 レイナ「なんでもねぇよ!さっさと行けや!!」 突然、レイナが怒り出したので享は足早にその場を立ち去った。 レイナ(……) 享の姿が見えなくなっても、レイナはその場に立ち尽くしたままだった。 ガチャ 病室から、ジンギが出てきた。 ジンギ「よう!久々に、飲みにいかねぇ?」 レイナは、ジンギを見ながら少し考えてから答えた。 レイナ「やめとく。気分が乗らねぇし…フェルも、舞にまかせっぱなしには出来ないからな。今夜は病院にいる事にするわ」 ガックリと肩を落とすジンギ。 ジンギ「じゃあ、俺も…」 ジンギが言い掛けた所に、サラがやってきた。 サラ「飲みの相手なら、私がいるじゃな~い♪じゃね、レイナ」 ジンギ「へ?いや…俺はレイナと…」 サラはジンギをひっぱるように連れさらって行った。ジンギがギャーギャー騒いでいたが、その声も…やがて聞こえなくなった。 自分以外、誰もいなくなった廊下に夕日が差し込む。 レイナは、病室には戻らず…夕闇に紛れるように、廊下の奥へと消えていった。
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