十八織…接吻

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《サラ&ジンギ》 薄暗いバーで、二人は淡い色のカクテルで乾杯をする。 ジンギ「洒落たバーだな。熱帯魚までいるのか?」 サラ「あれは、立体映像よ。今の海に…あんな綺麗な魚はいないわ」 立体映像の熱帯魚達は、まるで命を持っているかのように優雅に泳いでいる。 ジンギ「しっかし、レイナは俺に振り向く気配がねぇなぁ…あいつ、目が腐ってんのかね?」 サラ「あんた、全然あの娘の事…わかってないでしょ?あんたみたいな力押しで『俺についてこい!』ってタイプは…好きじゃないのよ」 カクテルを飲み干し、ジンギはサラを見た。 ジンギ「だったら…そうなれば良いだけだろ!?」 少しだけカクテルを口に含み、サラが答える。 サラ「自分殺してまで、女に合わせる男なんて…私に言わせれば魅力の欠片もないけどね♪」 ジンギは、何も言えなくなった。 サラ「レイナの、どこが好き?」 ジンギ「顔!…スタイルも良いな!後は…目かな?良く見ると…悲しそうな目してるよな。俺が、なんとかしなきゃ!って、思うんだ!」 サラは、煙草に火をつけた。 サラ「私と、どこが違う?」 じっと、ジンギの目を見つめるサラ。ジンギは、おもわず目をそらす。 ジンギ「からかってるのか?サラには、藤木博士が…」 ぐっ… サラの唇が、ジンギの口を塞いだ。ゆっくりと、その感触が離れていく。 サラ「ただ、お食事しただけよ?」 頭が、真っ白になるジンギ。餌を貰いたがってる鯉のように、口をパクパクさせている。 サラ「…効果的な、口封じでしょ?」 ジンギ「まぁ…な。でも、ある意味…らしくねぇよな。サラ…怯えてるだろ?唇、震えてたぜ」 サラ「…分かるんだ…」 ジンギ「まぁ、正直…俺はビビッてるけどな!あの、ハルバードと戦う事になって…しかも、あと三ヵ月で…」 キッ! それ以上、言うな!と言わんばかりにサラがジンギを睨み付ける。 ジンギ「あ…すまねぇ…」 サラは、ゆっくり席を立った。 ジンギ「帰るのか?」 サラ「えぇ…行きましょう」 どっこら、しょ!っと席を立つジンギに、またしてもサラは不意打ちのキスをした。 ジンギ「!?」 サラ「ねぇ…独りで寝たくない夜って…あるでしょ?」 …夜は、更けていく…
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