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《レイナ&享》
パライーター反応を探知したレイナは、夜の街を走り抜ける。やがて…人気のない公園に辿り着いた。
レイナ「…反応が…消えた?」
ついさっきまで、赤く光っていた探知機が沈黙。念の為、調査を開始する。
公園の滑り台付近に、人影が見える。ゆっくりと近づいてと…そこには、享がいた。
レイナ「…享」
享の足元には、真っ二つにされたB級パライーターの姿があった。
享「レイナさんも、パライーター反応を探知したんですか?僕が駆け付けたら…もう、こんな状態でした」
これは、嘘である。
レイナより先にパライーターを発見した享は、深紅を装着してパライーターを瞬殺した。その後に、レイナがやってきたのだ。
享「もう、死体処理班に連絡してありますよ。レイナさん、一人で飲んでたんですか?」
レイナ「悪いか?」
享「いや、そういう意味では…」
レイナ「付き合え。まだ、飲み足りないからよ」
享「あ…その前に、トイレいいですか?」
享は、公園のトイレに入り携帯していた輸血パックを…一気飲みした。
享「うぇ…桐人さんは、飲んでも効果あるって言ってたが…飲むもんじゃないな」
トイレから出てきた享を、睨み付けるレイナ。
レイナ「ほら!さっさと行くぞ」
一軒目…二軒目…
享「飲みすぎですよ、レイナさん…」
レイナは、享にもたれかかりながら夜の街を歩く。
レイナ「うっせぇ~まだまだ宵の口、イェー!!」
ヨロヨロと歩くレイナを、享は仕方がなくおぶる事にした。
レイナ「セクハラだぁ~セクハラだぁ~」
ぐったりしながら、享の背中の温もりを感じる。心地よさそうに、目を閉じる。
レイナ「享ってさぁ~誰にでも優しくするんだろ?」
享「そんな事は、ないですよ?」
レイナ「じゃあ…私に、特別に優しくしてるのかぁ?」
享「かなり、酔ってますね…」
レイナ「酔ってねぇよ…ちゃんと、答えろ」
享「…特別、ですよ」
レイナ「マジ?」
享「えぇ…すごく、尊敬してます。僕には…レイナさんのような勇気は無いですからね」
急に、レイナが享の背中から飛び降りた。
レイナ「どこに目ぇ付けてんだ!?勇気なんて…ねぇんだよ!!」
レイナの声は、真夜中の街に響き渡った。
…夜は、更けていく…
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