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パライーターの舌を食い散らすフェル。ジュディに見惚れているハルバード…
レイナ「貴男方は、一体…」
ハルバード「あ・あぁ、失礼。僕は、ハルバード・オデッセリア。この、悪そうなチワワはフェルだ。僕は対パライーター特殊機関『ゲイボルグ』の一員だ」
その夜は、彼らに保護されてジュディと共に屋敷に帰った。父と母を失った悲しみから立ち直るには、かなりの時間を要した。
屋敷には、ハルバードが訪れるようになった。最初は調査の為…その後は、ひたすらジュディを口説いていた。
ジュディ「しつこい!!空気読め!!」
そして、相手にされていなかった…
ハルバード「まったく、歯が立たない!!なぁ、レイナちゃん。ジュディさんは、どんなタイプが好きなのかな?」
フェル「やめとけ、このお嬢ちゃんは親が死んでへこんでるんだ。空気読めよ」
そんなやり取りが続く日々が、少しずつだがレイナの心を落ち着かせていった。
ハルバード「あいかわらず、歯が立たない!!なぁ、レイナちゃん…僕は、どうすればいい?」
フェル「いや…もう、諦めろよ…」
ハルバードとフェルのやり取りを見ていたレイナは、少し笑った。
ハルバード「やっと笑った…女の子は、たいがい笑った顔が可愛いものさ」
ジュディ「貴男は、まさか…この為に通い続けていたの?」
紅茶を持ったまま、ジュディが立ち尽くしていた。
ハルバード「あ・あぁ…僕も、両親がすでに亡くなっているから、ほうっておけなくて…」
紅茶を置いたジュディが、にっこり微笑んだ。
ジュディ「私、貴男の事を誤解していたようですね」
フェル(おぉ…ミラクルラッキーだな。せいぜい頑張れよ、ベイビー)
レイナは、ジュディの優しさに触れ、ハルバードに励まされ、フェルにからかわれながら…心の傷を癒していった。
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