四食…絶望

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パライーターを倒したレイナとフェルの前に、ジュディが現われた。 レイナ「ジュディ!!…嘘…そんな…」 ジュディの瞳が、緑色に輝いている。すでに…寄生されていたのだ。 ジュディ「お嬢様…レイナお嬢様…私は、もう駄目です。理性が、消えかかっています…どうか、お嬢様の手で…」 愛用している、ソーコム改をレイナに放り投げるジュディ。 ジュディ「…殺して下さい」 憎しみがあれば、あるいは、金や名誉の為ならば…人はあっさり、人を殺す。しかし、愛する人を手に掛ける事等…できる訳がなかった。 レイナ「できないよ…できる訳、ないじゃない…嫌だよ…ジュディ…」 高ぶっていた感情が治まり、普通の十三歳の少女に戻る。 フェル「レイナ!!ジュディはもう無理だ…諦めろ!」 レイナ「うっせー!!テメェは黙ってろ!!ジュディ、パライーターなんかに負けないで…お願い…」 ジュディ「もう…限界です…意識が…遠退いていきます…お嬢様、私は…貴女の手にかかるならば、喜んで逝きます…どうか…私が化物になる前に…ガァァァァァァァァァァァァァァ!!」 ジュディの意識は、完全に途絶えた。パライーターと化し、レイナに襲い掛かる!! ガァン!! 引き金を引いた。ソーコム改が、火を吹く。ジュディの脳天を、弾丸が打ち抜いた。 レイナ「ジュディイィィィィ!」 寄生したばかりのパライーター(C級)は、ほとんど人間と変わらない。脳を打ち抜きさえすれば、活動は完全に停止する。 レイナは、ジュディの名を叫び続けた。しかし、その声は、嵐の中にただただ消えていくだけだった… ――――――――――――――― それから七年の月日が流れ… 《成田国際空港》 フェル「コラ!テメェ!!人が寝てるのをいい事に、こんな狭い檻ん中に閉じ込めやがって!!」 左目が潰れ、蝙の翼をつけた黒いチワワが、ペット預かり所から顔をだした。 レイナ「ったりめぇだろ?テメェを機内に入れる訳には、いかねーだろが。つぅか、こちとら二回も飛行機乗って疲れてんだよ!ぐだぐだと、萎える事言ってんじゃねーぞ?」 フェル「あぁ~昔は、こんな汚らしい言葉を使うような娘じゃなかったのに…」 悲しみに満ちた瞳で、空を見上げるフェルであった… 四食…絶望…END
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