五触…日本

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薄い男は、地面に跪いてレイナを見上げている。 薄い男「妻は…もう、元には戻らないんですか!?」 レイナ「寄生された人間は、決して元には戻らない」 空中で動きの止まっているパライーター。高度も落ちてきている…十分攻撃が届く距離だと確認したレイナが、動こうとした。しかし、薄い男が手を掴む。 薄い男「やめて下さい…殺さないで下さい!!」 レイナは、薄い男の手に…そっと触れた。 レイナ「パライーターになった人間を救えるのは『死』だけだ。いいか…あんたは、奥さんの分まで生きるんだ…どんなに辛くても、寂しくても、それが私達…残された人間に課せられた使命だ。わかったら…手ぇ離しやがれ!!」 薄い男を蹴飛ばし、ビルを登る。 そして… レイナ「あんた、愛されてたぜ…悦べ」 ドシュ!! レイナの右腕が、槍のように変化してパライーターを貫いた。レイナはそのまま、ビルの屋上に着地した。 フェル「さすがハニー♪俺達コンビは…無敵だな!」 レイナ(なんっっっにもしてねぇじゃねぇか!この犬モドキが…大体、悪魔っていったらもっと強いんじゃねぇのかよ?) ビルの周囲に、パトカーが停まり始めた。 レイナ「今さらかよ…日本のゲイボルグは、頼りねぇなぁ」 フェル「タクシー呼ぶ手間、はぶけたじゃねぇの?ラッキー♪」 フェルはレイナの肩に乗った。レイナは、フワっと空中に身を投げ、地上に落下していった。 パトカーのドアが開き、青年が降りてきた。 青年「このビルに…パライーターがいるのか…」 緊張を隠しきれない青年の前に…何かが降り立った。 ズシィン!! ヒビ割れた地面の中心に、金髪の黒い鎧を身に纏った女が立っていた… 五触…日本…END
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