一食…高空

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女は携帯電話の画面を見つめながら、舌打ちをした。スチュワーデスが、すかさず声を掛ける。 「お客様、携帯電話のご使用は…」 上着の内ポケットから手帳を出した女は、スチュワーデスに開いて見せた。 手帳には… 対パライーター特殊機関(ゲイボルグ)所属『レイナ・バロックゼレス』…と、いった内容のカードが入っていた。 レイナ「悪いね。仕事がら、ついつい周囲に害虫がいないか調べる癖があってね~♪…まぁ、ビンゴだったみたいだけど…」 スチュワーデスの黒い瞳が、緑色に変色した。その瞬間!レイナは懐から銃を取出し、発砲!!機内に、銃声が鳴り響いた。 ガァン!! ガン、ガン、ガァン!! スチュワーデスの頭は、無惨に吹っ飛ばされた。そして、乗客が悲鳴をあげる。レイナは、シートベルトを外して噴水のように血を吹き出しているスチュワーデスに、銃を突き付ける。 レイナの手に握られている銃は『SOCOM改‐2XXX』ソーコムシリーズは、アメリカ特殊部隊ご用達の、ヨーロッパ産ハンドガン。この銃は、その最新型である。ちなみに、装弾数は12発。 普通なら、死んでいるはずのスチュワーデスが…ゆっくりと起き上がる。もちろん、首から上は肉片となり、その辺りに散らばっている。 レイナ「出てこいよ…それとも、大事な『肉袋』を、もっと風通し良くして欲しいのか?」 スチュワーデスの身体が裂け、『何か』が飛び出した。血の滴る身体は灰色…それは、甲羅のように固そうな質感を漂わせている。 レイナは、その『何か』に銃を突き付けた。 レイナ「まったく、仕事中でもないのに…私の前に現われやがって!!どんだけ、縁があるんだよ。私達は…なぁ?『パライーター』!!」 サングラスを外して、冷ややかな青い瞳でパライーターと呼ばれる怪物を睨み付ける。そして、引き金を引いた。 ガキィン! しかし、弾丸は弾き飛ばされた。その身体は、固い装甲で覆われていた。 レイナ「なかなか、育ってるじゃねぇか…人語も喋れるのか?」 パライーター「ガイチュウハ、オマエラ人間ダ…クタバレ、雌豚ガ」 レイナ「片言かよ。B級ってトコか…しかし、お前はラッキーだな。この私に、逝かせてもらえるんだからな♪悦べ!!」 レイナは、不気味な絵が描かれたカードを取出し、左手に付けているリストバンドに突き刺した。image=67226186.jpg
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