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翌日…
《地下 射撃訓練場》
ガァン!!
ガン、ガン、ガァン!!
享の撃った弾丸は、的確に的の中心に穴を開けた。
パチパチパチパチ…
拍手の音に気が付いた享が振り返ると…そこには、レイナが立っていた。
享「レイナさん…おはようございます」
レイナ「おはよ、享。あんた…なかなか良い腕してんじゃない?」
誉められた嬉しさと、いきなり、年下に呼び捨てにされた事から…複雑な心境になる享。そんな事に気付く訳もなく、レイナは話続ける。
レイナ「それにしても、パライーター出現率が低い国だってのに…支給されてる銃が『BERETTA』(ベレッタ)の最新型かよ。さすが、経済大国だなぁ…装弾数は?」
享「17発です。レイナさんが使ってるのは…ソーコム改ですか?」
享は、レイナが手にしている銃を、遠目から見て言い当てた。
レイナ「目ぇいいなぁ!?こんな薄暗い所でよく見えたな」
享「ほら、グリップ部分に特徴があるから…」
会話をしながら、チラっとフェルを見る。退屈そうに、あくびをしていた。
レイナ「私も、やっていいか?」
享「え?えぇ、どうぞ!」
レイナが射撃訓練を開始しようとした時、ドアが開き舞が現われた。
舞「おはようございます。レイナさん」
二人が会話している隙に、フェルに近づく享…しかし、フェルはすでに気付いていた。
フェル「さっきから、チラチラ俺を見てるが…何か用か?」
可愛らしい姿をしているが、潰れている左目のせいか…強い威圧感を感じる。
享「いえ…あまりに綺麗な毛並みだったので…つい見惚れていまして…」
フェル「お前、限定不死に興味あるんだろ?匂いでわかるんだよ。でも…お前からは憎しみも怒りも感じねぇな。負の感情が強くなきゃ、契約できないぜ。それに…」
心を見透かされてしまった享は、黙ってフェルの話を聞くしかなかった。
しかし…
ビービービー!!
警報が鳴ったと同時に、アナウンスが流れる…
「エリアコードDT308地点に、複数のパライーター反応を確認。各グループは速やかに…」
レイナ達は梅原の指示に従い、現場へと向かった。
六触…本部…END
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