一食…高空

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黒い翼の天使が、天から落ちていく姿が描かれている。そのカードが、リストバンドに突き刺さり…吸い込まれて消えた。 リストバンドから黒い結晶のような物が溢れ、レイナの身体に広がっていく。それは、身体全体を覆い尽くし、黒い鎧となった。 レイナ「狂甲・悪食(あくじき)装着『限定不死』発動!!」 パライーターと呼ばれる怪物が、レイナに襲い掛かる。しかし!その攻撃は、レイナの背中から飛び出した触手に防がれた。 レイナ「遊びは、終わりだ…くたばれ害虫!!」 身体を覆う黒い結晶が、氷に水をかけたように、パキパキと音をたてながら変化する。レイナの右手が、槍先のように尖り、パライーターの腹に突き刺ささる!! ガキィン! …はずだった。攻撃は、あっさりとパライーターに弾き返された。 レイナ「いゃん…すっごく、固い☆」 笑ってごまかそうとするレイナに、パライーターと乗客達が冷ややかな視線を送った。 パライーター「クタバレ、人間!!」 パライーターの攻撃で、機内の奥まで吹っ飛ばされたレイナ。壁に激突し、血を吐いた。 レイナ「ぐぼぁ!!…ってか、萎える…こいつ、傷一つ付いてないし!」 ゆっくりとレイナに近づいてくるパライーター。レイナは叫ぶ。 レイナ「おい、機長!!モニターから見て、状況分かってんだろ?乗客全員の席にバリアを張って、こいつを『ホール・アウト』しろ!!」 この旅客機のみならず、2XXX年の飛行機には、常備されている機能『ホール・アウト』それは、特定の危険人物・危険物を機内から排除するシステムである。座席についている乗客は、バリアで守られる。その為、これから起こる事態に巻き込まれる事はない。 機内放送から、機長の声が聞こえる。 機長「今、ホール・アウトしたら…貴女も!!」 レイナ「うっせー!!今の装備じゃ、倒せねぇんだよ!さっさとやれ、私の事は…心配するな!!」 ガガン!! 機内の天井に、穴が開いた。バリアに包まれていない床のゴミ屑が、吸い込まれて空に消えた。レイナは、背中から生えた触手を機内の壁に突き刺し、自分が元居た座席に進んで行く。 レイナ「ごぉおぉ!!すげぇ冷気だ…普通なら、死ぬな…」 長距離国際線ジェット旅客機の飛ぶ高さは… 高度1万~1万3000m…成層圏!! 外気温度-56.5℃!! 例え、凄まじい硬度を誇るパライーターと言えども、地表に叩きつけられたら、跡形もなく砕け散るだろう。image=67232307.jpg
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