九色…理由

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パキパキ… 奇妙な音をたてながら、レイナの右腕が槍先のような形に変化していく… ドシュ! レイナは、パライーターに飛び掛かったものの、あっさりと躱された。 フェル「おぉ!?かなり速いぞ!あのパライーター!!気を付けろよ、レイナ!」 見たままのコメントを叫ぶフェル。あまりの捻りのなさに、レイナは思わず言葉を返す。 レイナ「うっせー!!そんなもん、戦ってるこっちはとっくに分かってんだよ!!」 素早く動くパライーターを追撃するレイナ。背中から飛び出した触手を、地面に突き刺す。触手を軸にする事で、かなりトリッキーな動きが可能となる。 パライーター「なるほど…これが、限定不死の力!!お前に寄生すれば『あいつ』と同じように…」 レイナ(あいつ?) パライーターは、レイナの攻撃を躱しながら猛スピードで横移動を繰り返す… ―ひゅん― レイナ「お前の動き、ワンパターンなんだよ!!そこだぁぁぁぁ!」 触手を伸ばし、パライーターの動きに合わせて攻撃を仕掛けたレイナ。 しかし… ―スカッ― 当たったはずの攻撃に、手応えはなかった。 フェル「そいつは、猛スピードで動く事によって生み出された残像だ!!レイナ、身を守れ!!」 フェルの声に反応し、防御体勢に入るレイナ。突然、死角から蹴が入った! レイナ「ぐぁ!!」 近くの電信柱まで吹っ飛ぶ!!とっさに触手を電信柱に巻き付けて、直撃を防いだ。 レイナ「スピード自慢って訳か…なかなか、やるじゃねぇか!!」 吠えるレイナの背後から、C級パライーター達が忍び寄る。 ガシッ…ガシィ!! レイナ「!?」 パライーター「お前達風に言うと…我々A級パライーターは、人間以上の知能を持っている。お前を吹っ飛ばした方向には、あらかじめC級を待機させていたのだよ」 ガシャン… ズダダダダダダダダ!! レイナにしがみついていたパライーター達の頭が、蜂の巣になった。 パライーター「!!?」 パライーター探知機が入っていた方の、逆側が開いたアタッシュケース…弾丸が発射された先には、サブマシンガンを構えた舞がいた。 舞「人間以上の知能を持っている?私の存在を忘れている時点で、犬以下の知能だと思いますが…」 舞は、眼鏡をクイッと動かした。 フェル「ま、俺は人間より賢いけどな!!」 レイナ「やるじゃない…私も、負けてらんないわね!!」 レイナは右腕を突き出し、パライーターに向けた。
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