十色…狂愛

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胸を貫かれたマリー…しかし、その傷からは一滴の血も出ない。 ブォン!! 胸を貫かれたまま、剣を振るう!!しかし、レイナはそれをしゃがんで躱す。 パラ… レイナの髪が、少し切られて宙を舞う。とっさにマリーから飛び退くレイナ。 レイナ「あぶねぇ…まったくガードする気配がなかったからな…妙だと思ったぜ!!」 冷静さを取り戻したレイナからは、すでに紫のオーラは出ていなかった。 マリー「あら…余裕こきすぎたかしら。能力、バレちゃったわね」 余裕の笑みを浮かべるマリー。レイナは無造作に伸ばしていた触手を戻した。 レイナ「小娘、あんたの力は…人の為に使うべきだわ!!今からでも遅くない。ゲイボルグの傘下に入りなさい」 見つめ合う二人。そして、マリーが口を開いた。 マリー「私の名は、マリーよ。小娘じゃないわ。そして…目的は違うけれど、私も《ある人の為》に戦っている。貴女達の仲間になる事は…遠回りでしかないわ。無意味な事よ!!」 剣を振り回し、構えるマリー。レイナは、溜め息を吐いた。 レイナ「…仕方がないな」 再び、レイナはマリーに攻撃を仕掛ける!触手は天井や床を貫き、レイナは右腕を振りかざして突進する。 ガキィン!! 槍先のような形に変化したレイナの右腕と、マリーの剣がぶつかり合った。 ピシッ… レイナの右腕にヒビが入った!! マリー「きぃやぁぁぁぁはははははーーー☆」 狂ったように剣を振り回すマリー!!防ぐ度に、レイナの右腕にヒビが入り、破片が飛び散る!! 少し離れた物陰に隠れていた、舞とフェルが顔を出した。 舞「レイナさん…押されてますね。援護しますか?」 フェル「まぁ…大丈夫じゃね?」 フェルの落ち着いている姿に、舞は違和感を感じた。 舞「…まだ、何か策があるんですか?」 フェル「俺が言うのもなんなんだが…レイナの限定不死…あんまり強くねぇんだわ。地上戦だと、まったく役にたたねぇ。レイナがここまで生き残れたのは…」 フェルは、眠そうにあくびをした。 フェル「ふぁ~。レイナ自身の知力と精神力…それだけだ。たぶん、負けないぜ…俺のハニーは♪」 レイナを見つめるフェル。その目は、なんの心配もしていない…信じきった目であった。
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