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埃で塞がれた視界が晴れた時には、すでにマリーの姿はなかった。
パライーターに襲われていた子供達は、舞に保護されていた。物陰から、戦いを見ていた少年が呟く。
少年「…化物…」
少年も少女も、恐怖にとりつかれたように震えていた。
限定不死を解除したレイナは、切り落とされた左腕を右手で掴みながら歩いて来る。
舞「左腕…義手だったんですね」
レイナ「あぁ…それより、さっきの娘…マリーについて調べてくれ。このまま、野放しにしておくのは…危険な気がする」
フェル「それにしても…『ハルバード』以外にも悪魔召喚できる奴がいるとはなぁ…かなりの絶望を味わってるって訳か。」
ふと、助けた子供達と目が合う。子供達はレイナと目が合った瞬間…怯えた表情を見せ、目を逸らした。
レイナは、悲しそうな笑みを浮かべて歩きだす。
レイナ「舞。まだ、パライーター反応はあるのか?」
舞「大丈夫です。内部にも外部にも、人間の反応しかありません」
舞は、子供達の手をとってレイナの後に続いた。
フェル(俺の意味深な台詞は…シカトされた!?)
外に出たレイナ達の前に、何人かのゲイボルグ隊員と共に、梅原と享が待っていた。
梅原「ごくろう!いや~こっちも、大変でなぁ…合流するのが遅くなっちまった。すまん!!」
レイナ「気にしてねぇよ。それより、左腕くっつけなきゃ…」
左腕がないレイナを見て、慌てて享が駆け寄った。
享「だ、大丈夫ですか!?レイナさん!!」
レイナ「心配してくれるんだな。優しいな♪正直、大丈夫じゃないな。神経と繋げてるから、切られた瞬間は激痛だった…ん?」
心配そうな顔でレイナを見つめる享のオデコに…何かついている。
キスマーク!?
レイナ「て・めぇ…何と戦って遅れて来た!?」
享「いや、これには深い訳が!」
レイナは、右手で持った左腕をフルスイング!享の顔面にヒットした。
享「はぶべっ!!」
鼻血を吹き出しながら、享は地面に倒れた。
真っ赤な顔をして怒るレイナ。それを見て…
「くすくす…」
舞の後ろに隠れていた子供達は笑っていた。
それを見て、レイナも照れ臭そうに笑った。
梅原「さて、そろそろ行くか。お前に会いたがってる人がいる」
レイナ「?」
レイナ達は、梅原の指示に従って移動を開始した。
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