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タン、タンタンタン!
建物から、建物へ飛び移る影。マリーである。
マリー「はぁ、はぁ…私以外の限定不死。ゲイボルグに2~3人いるっていうのは聞いていたけど…最高にウザイ!!二度とかかわり合いになりたくないわ…パライーターのが、よっぽど楽に殺せる!」
ヘィル「百害あって、一利無しってトコねぇ~まぁ、私的にも…悪魔の生命エネルギーなんて、不味い物には興味ないしねぇ~」
マリーの肩に乗ったヘィルが、眠そうな声で言った。
マリーは、森の中に建った洋館に辿り着いた。ドアを開け、中に入る。
館内は、青い光に包まれている。外に比べると、やや肌寒い。
地下へと続く階段を下りていくと、一人の青年が椅子に腰掛けている。
青年「おぉ!!マリー帰ってきたのか…どうした!?顔が腫れているぞ!すぐに手当てしなければ!!」
青年は、マリーの兄である。名前は『原 桐人』(はら きりと)という。ちなみに、マリーの本名は『原 真理』(はら まり)である。
桐人に手当てをしてもらいながら、今日の出来事を話すマリー。うんうんと、頷きながら聞く桐人。しだいに、マリー顔の腫れが引き始めた。
マリー「さすが、お兄様!ゲイボルグの医療機器開発部にいただけの事はあるわね♪かなり、痛みが引いたわ」
マリーは、桐人に抱きついた。桐人も、マリー頭を優しく撫でた。
桐人「さぁ、マリー…摂取したパライーターの生命エネルギーを、ママに与えておくれ…」
マリーは、部屋の中心にある機械に向かって歩きだした。機械は、棺桶のような形をしている。その中には美しい女性が眠っていた。
マリー「ママ…今日は、沢山『糧』を持ってきたからね…」
棺桶のような機械の横に取り付けられた、鞘のような機械に剣をおさめる。すると、棺桶の中に入っている女性の顔色が、少しだけ良くなった。
桐人「この調子なら…また、家族三人で暮らせる日が戻ってくるな」
後ろから、ぎゅっとマリーを抱き締める桐人。マリーは、その腕に軽く手を添えた。
二人の目的は、事故死した母親をパライーターの生命エネルギーを利用して、蘇生させる事であった。
十色…狂愛…END
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