十二飾…紫煙

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梅原とレイナが、扉を開けると…室長専用の個室には、煙が漂っている。 レイナ「煙い!!」 部屋の中には、藤木博士、ジンギ、サラの三人が椅子に座ってレイナ達を待っていた。 ジンギ「おぉー!!レイナ、会いたかったぜぇえぇぇ」 猛スピードで間合いを詰めるジンギ。目の前までせまり、抱きつこうとする寸前!レイナのソーコム改が、ジンギの脳天に狙いをつけた。 レイナ「指一本触れてみろ、脳みそ拾うハメになるぜ!?」 ジンギ「…俺のスピードに着いてこれるようになったか…さすがだな!!」 梅原(なんだ?こいつは、レイナに惚れてるのか?) あきれ顔で二人のやりとりを眺めていたサラが、梅原に手を振っている。 サラ「はぁ~い♪えっと…梅原さんだっけ?さっきは、どうも~」 とりあえず…梅原も、手を振り返す。 レイナ「サラ姉…元気そうだな」 サラ「おかげさまで♪フェルは?」 レイナ「うっせーから、置いてきた」 二人が、軽い挨拶を交わした所で藤木博士が口を開いた。 藤木博士「さて、そろそろ本題に入ろう。皆、席についてくれ」 レイナと梅原が席につく。ジンギも、しぶしぶ席についた。 藤木博士「すでに察してるかもしれないが…非常事態発生だ。一ヵ月前…中国本部が強襲され、壊滅状態となった」 梅原「中国本部!?拳法の達人を集めた…パライーター撃破率トップクラスの集団じゃないですか!?」 驚きの為、声が大になる梅原。藤木博士は、話を続けた。 藤木博士「それが、たった一体のパライーターにやられたのだ。我々は、奴を『レイヴン』と名付けた。奴を始め、かなりのパライーターが日本に潜入しているという情報を掴んだ。これは…『ONE』の命令よって、集結している可能性が高い」 ディージョンの中から、最初に現われたパライーター…『ONE』全ての元凶!レイナにとって、最も殺したいパライーターである。 レイナ「日本に…いるのか?」 藤木博士「確信は、ないがね。しかし、可能性は高い。今回の限定不死集結は、レイヴンを見つけだしONEの情報を入手。始末するのが目的だ」 三人の限定不死は、当然ONEを憎んでいる。日本にパライーターが集結している!この、最悪の状況こそが…望みといっても過言ではなかった。 レイナ「皆殺しだ!」 熱くなっているレイナを見ながら、席をたった梅原は…とりあえず換気扇のスイッチを入れた。
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