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藤木博士の話が終わったと判断したレイナと梅原は、席を立とうとした。
藤木博士「ちょっと、待ちたまえ。君達に渡したい物がある」
藤木博士は、部屋の壁にある隠しスイッチを押した。壁の一部が割れ、武器が大量に並べられている。
藤木博士「新兵器を支給しよう。まずは…レイナ君様だ」
藤木は、レイナに『ボード』のような物を、梅原にはショットガンと弾丸ケースを渡した。
藤木「そのボードは…レイナ君専用の特殊移動兵器『エア・イーター』空気中の酸素を取り込み、四方八方に噴出させる事で浮遊し、最高時速120㎞での移動が可能だ。高さは、大体東京タワーくらい(約333m)までだ。空中での戦闘で保険がきく、レイナ君なら使いこなせるだろう。折畳みが可能で、持運びにも便利だ」
レイナ「へぇ…ゴッツイ、スノーボードみたいだな。どれ、試してやる」
梅原「この、ショットガンと弾丸は?」
藤木博士「ゲイボルグ専用スパス12試作型(装弾数30)…ボタン操作で冷凍弾と通常弾を使い分ける事が可能だ。B級以上のパライーターに対して、冷凍弾で攻撃→通常弾攻撃が有効であるというデータがとれた。これは試作品だが、実戦でもきっと役に立つ。梅原君なら、使いこなせるだろう。弾丸は、ベレッタ用の冷凍弾だ。本部にいる隊員に支給する予定だが、君の隊には先に渡しておく」
かなり、優遇されている事が少々気に掛かる梅原だったが、姪(舞)が所属しているからだろう。と、ありがたく武器を受け取った。
部屋を出ようとするレイナに、ジンギが声を掛ける。
ジンギ「レイナ、二十歳になったよな?飲みにいこうぜ!」
レイナ「…他の男と約束してるから、無理!じゃあな」
ジンギ「ちょっ!?誰だ!そいつは!?」
レイナは、単にジンギが煙草臭くて嫌いだった。そして、適当な事を言う。
レイナ「…同じ隊の奴」
ショッキング!!
…と、いった表情で立ち尽くすジンギをさておき、レイナと梅原は部屋から出た。
ジンギ「同じ隊…あの、享とか言う奴か…許さねぇ!」
サラ「あぁ~暑苦しい男ねぇ…これじゃ、振られるわね。博士…今晩、空いてらっしゃる?」
藤木博士「…いい店があるんだ。行こうか」
部屋には、ジンギが一人ポツンと残った。
ジンギ「ふぅ~」
窓から見える景色を眺めながら、とりあえず葉巻に火をつけて一服するジンギであった。
十二飾…紫煙…END
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