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リィナは、エメラルドグリーンのドレスを身に纏い。レイナはピンクのドレス、ジュディも照れ臭そうにブルーのドレスを着て、車から降りた。
ジュディ「本当に、よろしいんですか?私までご一緒して…」
リィナ「当たり前じゃない。貴女は誰よりも信頼できるメイドだもの。レイナを任せられる…唯一の存在なのですから。それに、レイナがジュディも一緒じゃなきゃ嫌だって、ダダをこねるのよ?ねぇ、レイナ」
照れ臭そうに頬を赤くして、上目使いでジュディを見つめるレイナ。
ジュディもなんだか急に照れ臭くなり、頬を赤くした。
リィナも美しい女性だが、ジュディも綺麗な顔をしている。ショートヘアの黒髪。細身だが、以外と筋肉質な身体。重い荷物も、あっさりと持ち上げてしまう力持ちである。
高級レストランに入った三人は、楽しく食事をする。ジュディは、いまいちテーブルマナーが分からないといった様子で、小さな声でレイナに聞いたりしていた。
ガタッ…
急に、リィナが席を立って走りだした。
ジュディ「奥様?」
外へ飛び出すリィナ。窓の外には…見間違えるはずもない。ジョンの姿があった。
レイナ「お父様!?」
レイナは思った。これは、神様からのプレゼントだわ!お父様を、私達に返してくれたんだ!嬉しさのあまり、ナイフとフォークを持ったまま、外へ走り出した。
外に出ると、リィナとジョンが抱き合っている。しかし…リィナのドレスが、さっきまでと色が違う…
ズル…
首から血を流し、崩れ落ちるリィナ。ジョンの口には、リィナの噛みちぎられた首の肉がくわえられていた。
レイナ「お父…様?」
街中から、悲鳴が聞こえた。
「パライーターだ!!パライーターが現われたぞ!!警察に連絡しろ!!」
誰かが叫んだ。
ジョンは、すでに息の途絶えたリィナの腸を貪る。それは、ほんの一瞬の出来事であった。レイナは、恐怖で身が竦み、一歩も動けなかった。食事を終えたジョンは、ゆっくりとレイナに近づいてくる。
―ヒュン―
ジョンの額に、ナイフが刺さった。レイナの手からナイフを奪ったジュディが投げた物だった。
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