十四植…嫉妬

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享をくわえたまま、建物から建物へ飛び移る虎型パライーター。ほどよく人気がなさそうな、廃墟ビルに飛び込んだ。 虎型「グルルルルルルル…ガァァァァァァァ!!」 ヨダレを垂れ流しながら、大きな口を開く。 ぐじゃあ! ぐしゃぐしゃぐしゃぐじゃ!! ザクッ… 血が、地面に広がる… …… 享「う…」 享は、生きていた。ぼんやりした視界には女性のシルエットが映し出された。 享(…レイナ、さん?) レイナではなかった。血塗れの大きな包丁のような剣を持った、変わったセーラ服を着た…仮面の女が享を見つめている。 マリー「あら、人がいたんだ?気付かなかったわ♪」 仮面をはずすと、まだあどけなさの残る少女の顔が現われた。マリーである。マリーは、ヘィルの探知したパライーター反応を追って偶然、享を助ける形となった。 享「君は…レイナさんが、本部に捜すように指示を出していた…限定不死か?」 マリー「あの、最高にウザイ女の仲間?あぁ~偶然とは言え…こんなの助けちゃうなんて、不覚だわ~」 マリーは、仮面をつけなおして立ち去ろうとした。(兄・桐人に、せめて顔を隠すように!と、渡された。ちなみに、監視カメラ付き) 享「待ってくれ!!」 マリーを呼び止める。享は考えていた。 享(もしかしたら…フェル以外の悪魔なら、僕を限定不死にしてくれるのでは!?) 享が持つ、力への執着心は…消えていなかった。 むしろ、結局はあっけなく命を落とす瞬間であったのだ。力がなければ…この世界では、名誉の死を遂げるだけ…その考えが、享の心を縛り付けた。 マリー「何よ?言っとくけど、ゲイボルグには入らないわよ!?」 享「君に力を与えた悪魔に、会わせてくれないか?僕は…力が欲しいんだ!」 ヘィル「私なら、ここにいるわよ」 物陰から、カラスの羽を生やした猫が現われた。 ブブブブブブブブ… マリーの携帯に、電話がかかってきた。 マリー「どうしたの、お兄様?」 電話は、桐人からであった。 桐人「マリー。仮面のカメラから、事情は大体わかった…彼を連れてきてくれ」 少々、腑に落ちないといった表情を浮かべながら、マリーは享に言う。 マリー「妙な真似をしたら…殺すからね☆」 顔は笑っていたが…マリーの目は、笑ってはいなかった。 十四植…嫉妬…ENDimage=71707481.jpg
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