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十五植…芽吹
独特な雰囲気を漂わせる洋館…
マリーに通された部屋には、顔色の悪い痩せた男がいた。
桐人「初めまして…私は、原 桐人です。えぇっと…」
享「海老原 享です」
マリーが、桐人と享にローズティーを持ってきた。こうして見ると、マリーと名乗る少女は…本当に普通の少女にしか見えない。
桐人「さて、君は限定不死になりたいんだね。ヘィル…彼はどうだい?」
ヘィルが、あくびをしてから享の目をジッと見つめた。そして…一言。
ヘィル「無理。白いわ」
思わず、叫ぶ享。
享「なんなんだよ!白いって!?どういう意味なんだよ!」
いきなり大声をあげた享に、桐人とマリーはかなり驚いた。
マリー「なによ!?いきなり…男のヒステリーは無様としか言い様がないわ☆」
ヘィル「ふぁ~…人間にはね、色があるのよ。色が濃ければ濃いほど…いい味になるの。恨み、絶望、嫉妬…様々な思いが強くなることで色が付くわ。貴男が、力に執着する事で生まれた嫉妬心なんかもあったでしょうが…全然浅いのよね。きっと、根源にある想いが白いのね。吐き気がするほど、純粋な感じがするわ」
話を聞いていたマリーが、割り込んできた。
マリー「へぇ…じゃあ、お兄様が病弱だったから私を選んだ訳じゃないんだ?」
ヘィル「まぁね…そういう事だから、さっさと仲間ん所に帰りなさい♪」
愕然としている享の肩に、桐人が手を乗せた。
桐人「私なら…君に、違った形で力を与えられると思うが…話を聞くかい?」
桐人は、優しい笑みを浮かべた。
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