十五植…芽吹

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沈黙… 先に口を開いたのは、享の方だった。 享「あ…結構、心配してくれてました?」 笑いながら言う享を、レイナは涙ぐみながら睨み付けた。 レイナ「あたりまえだろ!!」 今にも、涙が零れそうだ。享はレイナが自分の事を、こんなに心配してるとは思っていなかった。 享「えぇ~と…意外と、仲間思いなんですね」 レイナ「なんだよ!意外にって…どんなキャラだと思ってんだよ」 享「…いろんな所で、仕事してるから…こういうの、慣れてるのかなって…」 レイナ「慣れる訳ねぇだろ?人が…死んじまう悲しみに、慣れなんかねぇよ…」 分からなくなっていた。レイナの方が、よっぽど白いんじゃないか!?享は思わず聞いてしまった。 享「レイナさんみたいな人が…なんで限定不死に?悪魔に見初められたんですか?レイナさんの方が…僕より、よっぽど白い感じがします」 レイナ「…憎しみだよ。小さい頃…大切な人間を、次々とパライーターに奪われた。私は、呪っているのさ…パライーターを!自分の運命を!なんで、私だけ!!ってな…白くなんてないよ…」 涙を拭って笑うレイナを見て…享は妙な気分になった。 享「…もう、心配いりませんから…泣き顔とか、似合わないですしね」 まだ、二十歳のレイナが抱えている物の重さは、享には想像もつかなかった。享は、手にしていた『バックル』を強く握り締めた。 享(情けないな…こんなに心配されて…でも!この『力』があれば…) ガチャ… 梅原「おう!飲み物買ってきたぞ~」 レイナ「あ、私はコレ貰うぜ!」 梅原「あ゛それ、俺のだ!!」 もう、そこにはいつものレイナと、いつものCグループの姿があった。 レイナ達が帰った後、享は手にしていた『有刺鉄線が絡み合ったバックル』を取り出して、見つめていた。 享(やれる…きっと、僕にも!) バックルの有刺鉄線が、享の手に刺さる…そして…血を吸っていった。
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