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ビルの奥へと進むレイナ達。薄暗く、視界が悪いビル内で二階に上がる階段を探す。
レイナ「舞、ビル内のマップを送信できるか?入り組んでて、分かり辛ぇ」
インカムから、舞に連絡をする。数秒後、マップ画像が添付されたメールを携帯電話が受信した。
舞〔参考にして下さい。では、健闘を祈ります〕
舞との通信が終了し、マップをチェックする。しかし、約一名が苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
享「隊長?なにか、顔色が悪いような…」
薄暗いせいではなく、明らかに梅原の顔色が悪い。
レイナ「おい、大丈夫か?」
梅原「…大丈夫…だ」
フェル「お~い、梅原ァァ!お前から『怯えた』匂いがプンプンするぞ?隠してないで、白状したらどうだ?」
梅原は、苦々しい表情のまま口を開く。
梅原「さっき…舞のやつ、蜘蛛のような特性を持ったパライーターって…言ってたよな?」
レイナ「…まさか、とは思うが…梅原、あんた!?」
梅原「俺、ガキん時から蜘蛛苦手なんだよ!!」
梅原が叫んだ瞬間!どこからともなく、ガサガサと音が聞こえた。
ガサガサ…
ガサガサガサ…
ごくっ…
唾を飲み込む梅原。
薄暗い部屋に、八つの目と八つの足を持った蜘蛛型パライーターが蠢いていた!
梅原「ぷしゅー」
空気が抜けるような音をたてて、梅原が卒倒した。
レイナ「マジ萎える!こいつ、見ただけで気絶した!?」
享「えーーー!?」
フェル「どうしようもねぇな…」
二人と一匹は、倒れた梅原を見て、仲良く溜め息を吐いた。
ガサガサガサ…
蜘蛛型パライーターは、こちらの様子を伺っている。薄暗い部屋にも、かなり目が慣れてきた。じょじょに、姿が見えてくる。
レイナ「最悪だな…」
蜘蛛型パライーターの顔は…レイナ達の前に突入した、Tグループの隊長であった。
蜘蛛型「ゴロジデ…グレ」
レイナの右腕が、槍先のような形に変化する。
レイナ「あぁ…すぐに、逝かせてやるよ…悦べ」
レイナは、悲しみとも、怒りとも言えぬ表情を浮かべながら、パライーターと化したTグループの隊長に切り掛かった。
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