十五植…芽吹

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ビルの奥へと進むレイナ達。薄暗く、視界が悪いビル内で二階に上がる階段を探す。 レイナ「舞、ビル内のマップを送信できるか?入り組んでて、分かり辛ぇ」 インカムから、舞に連絡をする。数秒後、マップ画像が添付されたメールを携帯電話が受信した。 舞〔参考にして下さい。では、健闘を祈ります〕 舞との通信が終了し、マップをチェックする。しかし、約一名が苦虫を噛み潰したような顔をしていた。 享「隊長?なにか、顔色が悪いような…」 薄暗いせいではなく、明らかに梅原の顔色が悪い。 レイナ「おい、大丈夫か?」 梅原「…大丈夫…だ」 フェル「お~い、梅原ァァ!お前から『怯えた』匂いがプンプンするぞ?隠してないで、白状したらどうだ?」 梅原は、苦々しい表情のまま口を開く。 梅原「さっき…舞のやつ、蜘蛛のような特性を持ったパライーターって…言ってたよな?」 レイナ「…まさか、とは思うが…梅原、あんた!?」 梅原「俺、ガキん時から蜘蛛苦手なんだよ!!」 梅原が叫んだ瞬間!どこからともなく、ガサガサと音が聞こえた。 ガサガサ… ガサガサガサ… ごくっ… 唾を飲み込む梅原。 薄暗い部屋に、八つの目と八つの足を持った蜘蛛型パライーターが蠢いていた! 梅原「ぷしゅー」 空気が抜けるような音をたてて、梅原が卒倒した。 レイナ「マジ萎える!こいつ、見ただけで気絶した!?」 享「えーーー!?」 フェル「どうしようもねぇな…」 二人と一匹は、倒れた梅原を見て、仲良く溜め息を吐いた。 ガサガサガサ… 蜘蛛型パライーターは、こちらの様子を伺っている。薄暗い部屋にも、かなり目が慣れてきた。じょじょに、姿が見えてくる。 レイナ「最悪だな…」 蜘蛛型パライーターの顔は…レイナ達の前に突入した、Tグループの隊長であった。 蜘蛛型「ゴロジデ…グレ」 レイナの右腕が、槍先のような形に変化する。 レイナ「あぁ…すぐに、逝かせてやるよ…悦べ」 レイナは、悲しみとも、怒りとも言えぬ表情を浮かべながら、パライーターと化したTグループの隊長に切り掛かった。
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