初夏

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皆といっても部員は光と夏を含めて五人だけしかいない。 既に部室に集まっていた三人は、机をくっつけてそれを囲むように椅子に座り、何か話し合っていた。 右から、親友の鳴神雨京(なるかみうきょう)、早花咲月遥(さはなさづきはるか)、幾千夜凛(いくちよりん)である。 調査部は皆、中学からの友達で設立した部活である。 中学生の頃から何かと一緒にいた五人で、高校生になって特に入りたい部活もなく、遊び半分で調査部を創ったのだ。 顧問は、十姉妹葉月(じゅっしまいはづき)先生という数学担当の先生で、なぜかいつもスーツに白衣を纏っている。大抵部活にはいず、たまに遊びにくる程度だ。顧問を頼んだときもすんなり了承してくれた不思議な先生だ。因みに今日も先生は来ていない。 「よっす!遅れてごめん、ひかるがさ~」 「おっ、遅いぞー。まったひかるかよ~」 部室に入るなり夏が遅れた理由を俺に押しつけてくる。それに乗っかり雨京までもが俺を責めてくる。 「あはは、また光責められてやんの~!」 「光っていつもいじられてるね」 それを傍観していた遥と凛までもが茶化してきた。 部活に来て数秒で、既に俺の帰りたいメーターが半分まで貯まってしまった。
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