初夏

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季節は夏。 さんさんと照る太陽が視界を狭め、蝉が控えめに鳴いている。 たまにそよぐ風が妙に心地よく、意味もなくわくわくし、落ち着きがなくなる。 そんな心を写しだしたかのような、晴れ晴れしい真っ青な空に、もくもくと真っ白な雲が游いでいる。 春から夏に季節が移り変わったばかり。汗が額から頬に伝い流れていき、それを少し生暖かい風が拭ってくれる。 そんな多少暑く、それでいてゆるやかに過ぎる時間や、青春臭い爽やかな季節に、涼暮光(すずくれひかる)は通学途中の川沿いを、軽快な足取りで歩いていた。
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