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「ついてきて・・・」
そう言った少女に無理やり連れてこられた空間に功と少女はかれこれ20分ほど詰め込まれている。
時折、真っ暗で狭い空間に大きく巨大な都市やたくさんの人が姿を見せるのだが、少女はそれに目もくれずいまだに、詰めこまれたままだ。
「なぁ・・・君・・・いつまでこうしてるの?」
功は掴まれたてを少しゆするように、話かける。
朝起きたらいきなり見知らぬ少女にこんな空間に押し込まれているのだ。おそらくまだ、起きてから一時間もたっていないだろうが、もう体力・・・いや気力を使い果たしてしまった気分だ。
「・・・・」
だが功の問いかけに少女は答えない。
「おーーいきぃーてる?」
さっきよりも強くゆすってみる。
「・・・・・・・・」
しかし、少女は前を見据えたままこちらを振り向かない。
「なぁって!」
功は少し大きく言った。
「・・・・痛いわ・・・それに五月蠅い」
少し、大きくいったことに驚いたのか、ビクッとなった少女はこちらを向いてそういった。
まるで、のんきな少女に功は大きくため息をつく。
「はぁ・・・五月蠅いじゃないよ、君、今どこに向かってるの?」
「あぁ君って私の事ね。」
納得した様子で少女は言った。そして続ける。
「私は{君}という名前ではないわ」
少女は小さな声でそういう。
さっき名前を聞いたのにミレンダの何とかとしか言ってなかったのは誰だ・・・と次は内心でため息をつきながら
「じゃあ名前は?それとどこに向かってるの?」
と、聞く。
すると、少女は少し考えながら
「名前はアシュタルーカスよ。もう少しで家だから」
なぜ、考え込んでいたのかはわからないが、アシュタルーカスと少女は名乗った。
その直後、こことアシュタルーカスがつぶやくとあたり一面が一気に明るくなった。
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