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たぶん生徒会長だろう、その人は口を開けた。
『初めまして、新入生の皆さん。そして』
目がぎらついた。何かを仕掛けてくる。
『跪きなさい、この豚共』
ぐしゃり、という音が周囲から響く。原因はあのアマだ。
「………っは」
『その卑しい口を閉じなさい』
ガチン、と言う音が自分、そして他の奴らから鳴った。
そうか、そう言う能力か。
「---僕の口は卑しく無いからね、閉じないよ?」
近くから男の声が響く。壇上のアマはつまんなそうに肘を付いた。
『五黒院のお坊ちゃんが、随分と偉そうじゃない』
立ち上がってすらいる超有名財閥の五黒院の一人息子は、
ユウ「---はい、僕は偉いですから」
屈託なく笑った。
俺は、四方に伸びた影を一つに伸ばす。
バキリ、と嫌な音を立てて拘束が解ける。
『おや?そっちにもいるわね』
「わかっていることは言わなくてもいい。それよりあんた生徒会長、だろう?いいのか、俺たちを拘束出来なくて」
何が言いたい、と五黒院が振り向いた。
『あら?そこの箱入りとは違って優秀?』
「新入生ごときが最強の一角に抗うことなど出来ない、そのはず」
拘束するだけなら俺は大丈夫だ。
名前の魅守は伊達じゃない。
『ふーん、ただの勘か。じゃあそっちの雑用係弟はどう思ってる?』
アマは舞台袖を見つめる。すると、素知らぬ顔で長身で赤髪の男が俺たちを見ていた。
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