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その手にはマイクを持っており、
トーマ『そこで踞ってる泣き虫は仕方ないとしても、この様は何だ?』
酷く冷たい視線が五黒院と俺以外を射抜いた。
トーマ『………あ、新入生代表の朱星十真だ。で、立ってるのは俺たち三人だけか?後、そこの………雛月、と言ったか』
何?雛月だと?
イツカ「私は無理に何かをすることが嫌いでな。立ち上がるのは面倒だ。私には話し掛けなくていいから、さっさとこの児戯を終わらせてくれ、つまらなくて仕方ないんだ」
五黒院がひゅー、と口笛を吹いた。たぶん軽い賞賛の意味を込めたのだろう。
トーマ『なるほど………じゃあどうでもいいか。俺の言葉はただ単純だ』
アマを指差し、気だるげにこう言った。
トーマ『あんたら上級生全員、俺たちSクラスが二年で越えてやる』
『ほほぅ………中々良い人材ね。決めた!朱星十真くん、貴方を今日から生徒会書記に任命するわ!』
俺たちを全く気にせず、朱星の気概だけを聞いてそう言ったアマは、満足そうに舞台を降りた。
「紀ー、後よろしく」
カナメ「畏まりました、お嬢様」
カツカツと靴底を鳴らし、俺たちの視界に入る燕尾服の男。
カナメ「五黒院悠様と魅守白鷺様でしたか。霧島伝お嬢様が粗相を欠いたこと、私がここでお詫び致します故---
故、抵抗は・・・下剋上は無駄だと申し上げておきます」
最初は俺達に、後ろは朱星に。
朱星はヤンキー座りになり、燕尾服に向かってマイクを切って話し掛けていた。
燕尾服は、数度頷き、此方を見た。
カナメ「大体、貴方たち見るからに弱そうですし。私の勘では、二年後でも勇哉様御一人に全員で挑んで勝てるかどうか、でしょう?」
随分と舐められたものだ。その勇哉、と言うのが誰かは知らないが、目の前のこいつから先に仕留めるか?
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