入学式

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  アリサ「よく朝から菓子を食えるわね」 トーマ「食事は個人の自由だろ………やらんぞ」 いや要らないから、と言っていると、バス停が見えてきたが、バスはもう出発していた。 「あ゛ぁっ!?バスが出ちまったぁ!?」 バス停からバスを名残惜しそうに眺めている人物は。 トーマ「あの馬鹿が………」 隣で十真が呆れている。 声の主が自分の親族だとしたら、呆れるのも当然なのか。 「ちっくしょ………こうなったら学校まで走るか」 などと言ってはいるが、ここから学園まで五キロはある。 まぁあの人なら簡単にバスを追い抜かすだろう。 それほどに、異常だ。 横で菓子をかじっている人物も相当に異常だが。 「あ、十真と阿理沙ちゃん。おはようさん!」 弟と同じ返事をする辺り、兄弟であることを感じさせる。 アリサ「おはようございます、勇哉さん」 ユーヤ「うい。やっぱり阿理沙ちゃんも受験したんだねぇ。俺は特待生試験だったから筆記無かったけどね」 そう、勇哉さんも超人学園に通っている。歳上だが、思考回路は弟と比べるとどちらが兄かわからなくなる。 トーマ「兄貴、生徒会の仕事あるっつってたろ」 ユーヤ「あ!いっけね!それじゃまた後で!」 私たちは、走り出そうとする勇哉さんから飛び退く。 その理由は、 ユーヤ「退いてくれええぇぇぇ………!!」 物凄く足が速い。陸上の100メートルトラックの世界記録を制服で塗り替える程だ。確か、この前五秒を切ったとか聞いたが。
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