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また、五月蝿い中に一人、足をばたつかせる少女が居り、周りの蟲をも興味が無さそうに、つまらなそうにしている。
あれは高校生なのだろうか?小学生と言われても納得してしまう程だ。
そして、前方に居る少女。
あれは、ただの人間か、知識側だろう、耳を塞いで踞っている。
………あんなものも禿爺の話を聞いても何とも無かったのか?
一度頭をカチ割って調べてみたいものだ。
段々と苦しみ、呻き声を上げるか弱い蟲共は減ってきている。
当然だ、これは夢から起こすだけの行為であり、その特典として全員がトラウマ級の悪夢を見ているのだから。
どのような悪夢を見ているのかは、気にはなるが、そんなことに一々興味を持っていたのでは、我が雛月家の女として母上や父上に示しが付かない。
周囲を無視することにし、禿爺の話に集中することにした。
校長『今年のSクラスは、全員で十人だね。朱星十真くん、吾妻桃子くん、リオーネ=ヴェルデくん---』
禿爺が名前を読み上げていく。どうやら外国人も居るようだ。確かに色を抜いたりしているものも居るが。
校長『金糸飛鳥くん、五黒院悠くん、泉堂育海くん、クララ=ターコイゼくん。』
事務的な話はまだ続く。
校長『雛月伍佳(ひなづきいつか)くん、魅守白鷺(みかみしらさぎ)くん、六水阿理沙くん。これで全員かな?じゃあこれで私からの話は終わり』
禿爺が舞台袖の椅子に座り、今度は同年代らしき少女が立ち上がった。
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