隠せない気持ち

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桔平くんの家の前に来ると、車が一台停めてあった。 「あ!ママいるー!!」 智紀くんは勢いよく家の中に入っていった。 「…珍しい。こんな時間に家にいるなんて。」 不思議がる桔平くん。いつもはお仕事なのかな。 それよりも、これじゃあ家の中に入りづらい…。いきなり彼女でもない知らない人が来たら迷惑極まりないよね。 「お母さんいるんだよね?私、迷惑じゃない?」 「大丈夫だよ、気にしないで入って。」 桔平くんの言う通りに私も玄関に入った。すると、 「ちょうどいいところに帰ってきてくれてありがとう!あなたが彩ちゃんね?」 目の前にお母さんだと思われるスーツ姿の綺麗な女の人が出てきた。私の名前は早速智紀くんから聞いたのかな。私は頷き、お辞儀をした。 「帰ってきて早々悪いんだけど…。実は真弥が保育園で熱だして呼び出されたのよ。病院には連れてったからあとは寝かせておけば大丈夫なんだけど、今日の仕事まだ残ってて…。二人に頼んでいい?」 「いいよ。」 「助かるわ。智紀のこともお願いね。じゃあよろしく。」 そう言って桔平くんのお母さんはバッグを持って急いで家を出ていった。 「真弥ちゃんって妹?」 「うん。とりあえず中入って。本当今日は彩ツイてない日だね。」 「いやそんな全然。」
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