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席についた田口さんはまわりの席の人たちにニコッと軽く笑ってすぐに前を向いた。
田口さんをみて不思議に思った。転校生なのに転校生っぽくないから。何の不安も無さげで、もうずっとこのクラスにいるかのような、転校初日とは思えないくらい緊張感がなく見えた。
東京で暮らしてたなら、こんなことなんともないんだろうか。
「おーい、桔平くーん。なぁにさっきから転校生見つめてんだよ?ああ!もしかしてハマっちゃったか!」
HRが終わってみんなそれぞれ授業の準備をしているとき、後ろの席の宏樹に小声で言われた。
「ばかっ!ちげーよ。お前の方こそ可愛い!お友達なりたい!とか思ってんじゃねぇの?」
「あったりまえじゃん。あんな可愛い子はココにはなかなかいないぜ。連絡先ゲットしてやる!」
宏樹は女の子をみるといつも同じことを言っている。だから俺もいつものように「はいはい頑張れ」ってテキトーに相づちしていた。
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