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そんなとき、わざとみんなに聞こえるように話している人たちがいた。
「あれぇ、うちの学校ってピアス禁止じゃなかったぁ?」
「ま、転校初日じゃわかんないこともあるしねー。」
「でた。また相澤たちか。宏樹はあいつらも許容範囲なのか?」
宏樹とコソコソ話す。
「いや、さすがにギリギリアウト。ルックスはいいんだけどな、中身が…」
相澤たちは四人組でいつもクラスを支配する女子グループってやつ。女子高生は怖すぎ。
そしてクラスの注目が一気に田口さんに向かう。
「あ、そうなの?先生に何も言われなかったから気づかなかった。前の学校じゃ当たり前だったから、ごめんごめん。」
田口さんはさらっと言って鏡も見ずに慣れた手つきでピアスを外した。
そしてこの場はそれで終わった。
「相澤たちの矢先が転校生に向かなきゃいいな。」
「ふっ、どうせそうなったら宏樹が絡んで田口さんに好印象残そうとか考えるくせに。」
「あ、分かっちゃう?」
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