第一章 ~a shying girl ~

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 目の前には草原、後ろ、左右にも草原、それ以外は何もなかった。  「どんだけ広いんだよ!!このマップ!!!!!!!」  と嘆きながら、ひたすらに草原の中を歩いていた。どうやらこのゲームのマップは相当広いらしい、俺がかれこれ一時間歩いても全くと言っていいほど目的地である森にたどり着かないのであった。  「世界何周分の広さで出来んてんだ?このマップ・・・?」  メニュー画面を再び開き現在地点を確認する。どうやらこのマップは自分の今いる現在地点を自動的にズームしてくれるようだった。しかし、自分の最初の地点から少ししか動いていなかった。しかも俺は装備がバスタオル腰に一枚だった。この状態で風が俺に当たると割と寒い…マジで風邪ひいちゃうレベルに…  その前にこのゲームで風邪や病気が起こることがあるのか?でも現実世界から連れてこられたってことはやっぱり風邪もひくだろう…  そんな疑問が生まれながらも俺は森へ向かって一心に進むのであった。  ーそんなこんなで2時間半が経過しようやく森まで到着した。メニュー画面で時間を確認すると正午を少しまわっていた。  「やっと着いた~…もう一生たどり着かないんじゃないかと思ったよ…でもここからが勝負だよな…」  そうなのだ、ここまでは奇跡的に魔物と遭遇しなかった。だが森に入ってしまうとモンスターとのエンカウント率がかなり上がる。ソースは俺がこれまでにクリアしていったRPG。  だが進むしかない、進まなければ俺に未来はないのだ。いろんな意味で… こうして俺は森の中に踏み込んでいったのであった。
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