Ⅰ.羅刹

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サイドミラーに映る後ろの車の虚像。 車内から流れるロック系統の音楽が晴れ渡る空を染め上げるように流れている。 窓ガラスを開けて見つめる先には一面真っ青の海面。 その奥にうっすらとうつり混んでいる島々の影。 軽自動車に乗っている男は後部座席にあるバッグをよそ見しながら運転を続けた。 そして無風の空にそびえ立っている風力発電風車を横切り町へと車を進めていく。 そして森を少し抜けていった先にある公共文化財センターの前に車を止めて外へ出た。
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