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とある小国と小国の国堺、その小国と小国が争い、戦火をあげていた。
子供が咽び泣き、人々が逃げ惑う。この戦に慈悲など無く、ただの略奪と殺戮だけが繰り返される無法地帯。
「女子供は国持ち帰れ!大国が大枚はたいて買い取ってくれるからなぁ!」
一人の大柄な男が下劣な笑い声と共に手下に命令をする
「ぐへへ…隊長、味見は駄目ですかねぇ?」
半ば正気を失った痩せ男が大柄な男に問う
「しょうがねぇなぁ…生娘以外にしとけよ?価値が下がるからなぁ」
湧き上がる汚い歓喜
だがそこへ一つ、不協和音が混じる
「隊長ー!大変です!後方部隊が!後方部隊が!」
「おいおいどうした?そんなに慌てて…」
「後方部隊が…全滅しました!」
歓喜の声は止み、どよめきが生まれる。
それもその筈、この部隊は先遣隊であり、国の物資の補給を任され数十人で行動している小隊でしかないが、後方部隊、つまり国境を守る命令を受けた大軍なのだ、数にして数千はいる筈。
その部隊が全滅などあり得ない。
一体こいつはなにを阿保な事を言っているんだ。
この場にいるものがそう思った。
だがこの伝令に来た者、返り血を全身に浴び、目鼻から水を流し、今にも糞尿をも漏らしそうな勢いである。
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