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鬼気迫るその顔に誰もが耳を疑うも何かの非常事態だと察した。 「それで敵は何処の国だ、まさか隣の大国か?…いや、あそこは大事な取引先だ、こういう汚れ仕事買って出てるうちの国をみすみす潰しにくるとは思えんが…」 先ほどまでの調子とは打って変わって神妙な顔をする大柄な男 「それが…」 ガタガタと全身を震わせる伝令の男 「それが…なんだ?」 「それが…敵は…」 言うのも恐ろしいという表情に皆じれったくなり、周囲から野次の声が飛ぶ 「それが…敵は…一人なんです!」 どっ、と嘲笑う男共の声が湧き立つ 「お前内の大軍がたった一人の人間相手に全滅?ありえねぇってそんな事!」 「そうだぜ?いくら特校の連中が相手でもこっちは数千人だぞ?さすがにそれは無理があるってもんだ」 周りのムードに伝令の男は涙を加速させ、何故信じてくれないと咽び泣く。 その様子をみて大柄な男は考える。 さすがに一人相手に遅れをとる部隊じゃない。 異形の力を持った集団、独立国家特殊傭兵学校、通称特校の連中だって流石に一人で数千の大軍とやり合って無事でいるのは無理だろう。
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