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そんな考えとは打って変わって周りの手下の笑いは止まらず、地面を転げ回る物も現れる。
そこへ一人、少年が現れる。
抜き身の日本刀を逆手で持ち、腰まではある深い紺色の髪を風に揺らし、目尻は不機嫌そうに釣りあがっていた。
そんな来訪者に笑い声は止まり、小隊は狩を再開しようとする。
「おいおいにいちゃん?なんだい?わざわざ死にに来たのかい?
痩せ男がニヤリと笑い、獲物を狩る目に変わる
すると少年は整った顔立ちを上げ、周りの面々を一瞥すると口を開く
「貴様ら、何故罪の無い民間人にまで手を出す?そんな事をして許されると思っているのか?」
汚い笑い声が辺りを支配する
「おいおいにいちゃん、今時そんな事言う奴はいねぇよ!なんてったって今は力がある奴が世界を支配する世界だ!弱いものはただ支配される時代だ!」
痩せ男が指を刺して少年を笑う
笑い過ぎて腹が痛いと腹を抑える
「ほう…つまり貴様らは力こそ全て、力こそ正義だと、そう言いたいのだな?」
「あぁまさにそのとおりだよ!だからにいちゃん今正にこの俺に殺されるんだよ!神に許しをこう必要なんかいらねぇぜ?なんてたって弱肉強食の世界なんだからなぁ!!」
痩せ男は剣を振り上げ、少年に飛び掛かる
が、少年は半歩横に動くだけでその攻撃をかわす
「神に許しをこう?何を馬鹿なことをほざいてんだ?貴様は」
「なんだと!?」
痩せ男は少年の挑発に青筋を立てて憤怒するが、周りのどよめきに不思議そうに周りを見渡す。
「おい、皆どうしたってんだ?」
少年は痩せ男に完全に背を向け、小隊の人間達を今にも射殺さんばかりの眼光で睨みつける
「おいおいにいちゃん背中ガラ空き…ってあれ?体が…ずれてく…あああぁあ!体が崩れる!あっ…」
ドシャッと優男が細切れに崩れ去る音と共に場が静まりかえる
「貴様らが許しをこわなきゃいけない相手は神ではないと知れ」
状況の変化について行けず、皆呆然とし、空いた口が塞がらない
「昼寝の邪魔をされて腹がたっているこの俺に謝れ、ゴミ屑共が!」
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