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「はっなー!!学校行こー!!」 私が鞄を持ちちょうど玄関のドアを開けようとしたとき、聞き慣れた大声が聞こえた。 「ちょっ…百合、大声出さないでよぉ…」 私はドアから顔を出して、いるであろう親友に小声で話しかける。 「ほら花!行くよ学校!大輔も待ってんだから」 百合はお構いなしに歩いて行ってしまう。 「待ってよ百合ー」 私は百合の後ろを歩いていく。 「もう!早く早くっ!」 「待ってー」 私の前を歩いていく女の子は舞島百合。 私の幼なじみだ。 特徴的な赤髪をいつもポニーテールにしていてとっても美人さんなのだ。 「ほらほら花ー!」 「はーい」 私たちは大輔君との待ち合わせ場所の公園につく。 「あれ?まだ来てない?」 「ほらぁ百合早いんだよぉ」 私は息を吐き公園のベンチに座る。 「大輔の奴寝坊してるな」 百合……自分が早く来ただけなんじゃ… 「俺は寝坊なんてしてないんだが?」 「あっ大輔オッハヨー」 「大輔君おはよう」 「おうおはよう花ちゃん。」 「あれ?私に挨拶はー?」 「おはよう………百合」 大輔君。嫌そうなのがバレバレ…… こちらの背の高い男の子は室木大輔君。 幼なじみ。 一つ年上で学校の生徒会長さんです。 「で、いつも言っているんだが俺は先輩だぞ?」 「そんなこと生まれた時から知ってるけど?」 「うん」 私も返事をする。 「じゃあ俺のことは大輔先輩と……」 「ないわー」 「なっ!何だと!」 「だって大輔………バカじゃん?」 百合、そんな率直に言ったら! 「俺はバカじゃない!ただ少しだけ頭が弱いだけだ!」 いやいやそれは肯定してるも同じなような…… 「やっぱりバカだ大輔」  「生徒会長にそんなこと言って良いと………」 「じゃあ揃ったし行こっか花」 「でも、聞いて」 「大丈夫。あれはなしてるとき周り見えてないから」 そうだけど……… 大輔君は百合が言ったようにバカではない。 私たちに馬鹿なふりをしてくれてるだけ。………だと私は思う。 「ねぇ百合……」 私たちは学校に一直線に続く坂道に出る。 「やばっ!花どいて!」 「えっ!何?」 私は百合の背で前が見えなくて一歩おくれる。 ドドドドドドドドドドドドドッッッッ ア~レ~……… 私は目の前まで迫ってきていた女の子の波にのまれた。
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