箱庭恋愛のススメ

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「でも、女の人が苦手だし、でも、女の方が良い?――」 立夏は混乱するだけだった。 新もうまく説明が出来ずにいた。 城島は気が立っている新の手を取ると、それを立夏の左胸に当てた。 むにゅうっという擬音が付きそうなくらい、未知のそれは柔らく、すぐに新の手の中で崩れた。 「えっ、きゃっ、あのっ・・?!」 新は顔を真っ青にしたり真っ赤にさせて、ソファーでついに伸びてしまった。 「ほら、ちゃんと元気に起つから、心で拒絶してるだけで身体だけはちゃんと女が好きなんだろ」 「たつ?」 城島が説明してくれたが、無垢な立夏にはあまり伝わっていなかった。 「新君はちょっと色々あって女性がトラウマになって怖がっているだけで、根から嫌ってる訳でも、ホモでもないよ」 黒江は微笑んだ。 「立夏ちゃんに辛く当たるのも、本人は申し訳ないと思ってる、元々素直じゃない子だしね」 黒江からそう聞いて、立夏は少しだけ新の事が理解できたような気がした。
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