箱庭恋愛のススメ

14/14
前へ
/27ページ
次へ
つまり種馬になれって事。 彼、"エル"は新の母に呼び出された。 そして、そう指示された。 「なんだそれ・・、合理的だが非道な真似じゃないか。」 新は抗議した。 「新から反対されるとは思ってなかったよ」 新は言い返せなかった。 「エル君は今日からここで暮らすから、よろしく伝えてくれと旦那様が仰っていました」 黒江が言った。 「エルさん、部屋に案内します」 篠子がやって来ると、エルを連れて応接間から出ていった。 新は動揺していた。 全てが自分の我が儘で――、 * 立夏が学校から帰って来ると、リビングにエルがいた。 その向かいには新。 エルは紅茶を飲むのをやめて、青い瞳で立夏をギロリと見た。 「えっと、今朝の・・」 「今日からここに住まわせてもらうことになった、蓮見川 エル、新の、弟に当たる」 「エルさん、よろしくお願いします。立夏です」 感情というか生気のない人形のような人だと、立夏は感じた。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加