子作りしましょ、!?

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* 「新さん、兄弟がいたんですね」 エルが自室に戻った後で、 浮かない顔の新に声を掛けた。 「兄弟って言っても、母親が違う。エルは父の妾の子だ」 「異母兄弟?だから、似てないんですね」 エルの母はイタリア系アメリカ人で、既に逝去していて、幼い頃に蓮見川家の養子に貰われた。 女性恐怖症で屋敷から出られない新の影武者として、表に出ているそうだ。 「お前、あいつにあまり近付くな。今日から俺の部屋で寝ろ」 新は荒っぽく言った。 「え?どうして?」 「さっきエルが説明してただろ、あいつは俺の親の言いなりだからマジで遂行するぞ」 「あの、種馬ってどういう意味ですか?わたし、何を遂行されるんですか?」 立夏はポカンと間抜けに口を開けていた。 新は愕然とする。 冷や汗をたっぷり背中にかきながら、シドロモドロに新は説明した。 「跡継ぎを・・子供を、作るんだよ、俺の代わりにエルのやつとな」 新の顔が真っ赤だった。 「子供って、どうやって作るんですか?」 新は失笑した。 立夏の無垢純粋な瞳に飲まれそうになる。 こ、こいつアホだ。 「何も分からず、何も考えずに嫁いで来たのかよ?」 かなりの箱入り娘で世間知らずと、新は以前に立夏の祖父から聞いていた。 ここまでとは。 新はげっそりとしていた。
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