子作りしましょ、!?

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「お前、荷物まとめて故郷へ帰れ」 新はそう漏らした。 立夏は怪訝そうに新を見つめる。 「駄目です。じゃないと、新さんのお父さんやお祖父ちゃんたちに迷惑がかかります。 それに、どんな事があってもめげないって、ちゃんと覚悟して来ました」 新の胸は今、女性へ、立夏へ対する恐怖よりも、罪悪感のような切ないような気分でいっぱいだった。 「何が覚悟だ、浅はかなだけじゃないか、この脳ミソ春ピーマン頭」 「どうしてそんなこと言うんですか!ちゃんと考えてます、わたしの問題だから放って置いてください、分からず屋つり眉毛!」 二人は我を忘れて、激しく口論した。 その様子をいつからここにいたのか、城島が大爆笑していた。 「君達は小学生か?でも、ま、仲が良くてよろしい」 立夏と新は羞恥のあまり、我に返って顔を耳まで真っ赤にさせた。 「立夏」 初めて新に名前を呼ばれて、立夏はビックリしたと同時に、なんだか胸がこそばゆいような気持ちになった。 「俺もお前を利用したクチだから言えた立場じゃねーが、女なんだし身体は大事にしろ。 俺は強引にお前を拘束したり、身体をいたぶる事はするつもりない。 いろんな問題を片付けたら、すぐにでも婚約を解消するつもりだ!」 真剣だった、なのに立夏は楽しそうに笑っていた。 新はまた恥ずかしくなって、瞳を伏せた。 「早く女性恐怖症治るといいですね、ますます新さんとお友だちになりたくなりました。」 「お、お断りだ」
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