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「ごめんなさい、新さん、いつもああなのよ。悪い人ではないのよ」
篠子さんは苦笑していた。
大きなベッドと猫脚の白い机とクローゼットだけ置かれた、広い綺麗な洋室。
立夏はそこで荷物をスーツケースから取り出していた。
「いいえ、とても素敵な男性でした。そんな方と結婚できて、わたしは果報者です」
「新さんも、立夏さんみたいな素敵なお嬢さんがお嫁さんに来て、幸福者ね」
クスクスと二人は笑った。
立夏と新とは全く面識が無かったが、この度、お互いの両親の言い付けで婚姻した。
政略結婚のようなものだった。
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