箱庭恋愛のススメ

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「新さん、すみません!ああっ、大丈夫ですか?」 ソファーで気絶している新を見て、立夏は驚愕していたも 更に、篠子や城島がいることにもついでに驚愕する。 「あっ、新妻ちゃん」 「え、えっと、――」 初対面だった。 混乱している立夏に、城島は笑顔で名刺を渡した。 城島 明久、新の主治医だと名乗った。 「わたしは橘 立夏です。えっと、城島さん、新さんは大丈夫ですか?持病の発作とか?」 城島の膝枕で項垂れている新を、立夏はすごく心配していた。 「心配ないよ、立夏ちゃん。 でも、まあ、持病の発作といえばそうかな――」 「ま、まあ!どうしましょう!救急車?消防車?」 「落ち着いて、立夏ちゃん。大丈夫、気絶しているだけ」 城島が言った通り、新はすぐに回復した。 立夏の覗き込んだ顔を見るなり、また元気に絶叫した。 「あああああ!!!」 「いい加減 落ち着きなさい、新君」 城島が新の首を摘まむと、新は大人しくなり、割れに返った。 「新君は、ご覧の通り重度の女性恐怖症なんだ」 城島は教えてくれた。 新はそっぽうを向いたままだった。 「女性恐怖症?」 「女性と接触するとパニックに陥ったり、酷い冷や汗、赤面、エトセトラ。そして、俺は精神科医で新君の主治医」 新は服を着た。 そして不機嫌だった。 「俺、やっぱり無理だ、結婚なんて」 げっそりとした顔だった。
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