†糸†

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セキルの言葉により リリを女官に預け、 ロアが既にセキルを除く ディフェル達が通された 応接室へ向かうと、 そこには、 応接室の窓辺に 腕を組み立つディフェル。 ロアのために空けられた 長椅子のソファーの傍らに立つ レティス。 扉の内側に控えて居た フィリル。 ロアの座る予定の長椅子の正面、 テーブルを挟んだ 向かい側に立つ、 ザイルとセティアに、 二人の間に挟まれた 一人掛けのソファーに座る 短い白銀の髪に 琥珀の瞳の男性……、 神殿に務める神吏達の 配属等を管理する 神吏管理部筆頭、神官長。 †ルファ・A・リアル†の 姿があった。 ロアを迎えに行っていた セキルがディフェルの近くに 立ち控え、 ロアがクロアを傍らに 控え立たせ、 長椅子の中央、 ルファの正面に無言で座る。 この場で唯一、 無関係にも見える相手。 故に、 一目でリリの身元を証す者だと 判じる事が出来る 神官長の姿を眼にしても、 一切の動揺も 驚きもなかったロア。 それは ルファ自身も同様らしく、 正面に無言、無表情で座る ロアを眼にしても ルファはただ、無言で 神殿に務め、 上官である聖司官ロアを 前にした時と 何も変わらない様子で、 ロアの登場を受け入れた。
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