†欲†

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「ちょっ、クロア、落ち着け…、」 慌ててクロアを諌める フィリルの声。 端から見れば ナキルが何かを言い ロアを追い詰めたようにも 見えた、 二人の光景。 フィリルが仲裁役として クロアとナキルの間に入り、 「ナキル殿、すみません。ロア様に何を……」 クロアに代わって ロアの様子の原因を ナキルに問い掛けた時、 「…なッ!」 「へ?」 「え?」 「な?」 クロアの腕の中から ロアの、 「誰も何も詮索するなッ!今日の事は忘れろッ!!」 『うわッ!ロア様…』 『次期様…すげぇ…』 『『真っ赤だ……、』』 「ッ!」 クロアにしがみつく手の甲まで 真っ赤に染めたロアと フィリルにナキルの感心に 息を呑むクロアの動揺。 穏やかな筈の休暇日の 昼下がりに、 「全員、分かったな!了承しろッッ!!」 様々な意味で混乱したロアの 無理無茶苦茶な命を下す 羞恥の叫びが、 聖司官専用室の中庭で 上がるのだった。
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