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若草の馨る
鮮やかな新緑の緑と
穏やかな陽射しの中、
緩やかな風に揺れ
フ オ
百日紅の白花が降り降りる。
休暇日の聖司官専用室の中庭。
樹々の木陰の下で
休暇日の緩やかな時間を
クロアと共に過ごしながら、
いつの間にか
クロアの膝を枕に
眠っていたロアは、
何の前触れも無く
不意に眼を覚ました。
風が樹々を揺らす音と、
クロアの上着の温もり。
眠る寸前まで
読書をしていた記憶を
ぼんやりと辿り
クロアを見上げると、
「…………………………、」
『寝て…いる?』
ロアに膝枕をした状態で
背後の樹の幹に背中を預け
眠っているクロアの姿があった。
ロアが眼を覚ましても
起きる気配が全く無いクロア。
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