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婚約を交わす許しとして
与えられた、
本人の紋章が刻まれた
左耳のイヤカフを
互いに交わす事が
婚約の誓いとなる聖界。
主従の関係でありながら、
婚姻の誓いを交わした二人。
クロアがロアの耳許で囁く、
「愛してる」
「ッ…」
愛の束縛。
クロアの束縛に心を囚われ、
「私は…ッ……ん……、」
震えるロアの吐息。
深藍の夜色に抱かれる
銀月の光。
室内に満ち広がる甘やかな空気。
二人切りの聖司官執務室。
密やかに交わされる甘蜜の一時。
まるで夜空が訪れることで、
昼空に溶けた白月が
美しく姿を表し、
月夜の空となるように、
主従の関係に
側近との恋人関係を隠す…。
それが、
聖界の次代の主、次期聖主。
現在は、
神殿筆頭、聖司官でもある
神族の青年、
†ロア･S･セイン†と、
次期聖主側近であり、
現在は、
聖司補佐官でもある天族の青年
†クロア･K･キセア†の
永久の忠誠と愛を誓った
秘めやかな蜜の関係だった。
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