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柔らかな風が吹き抜ける
穏やかな日射しの中。
荘厳な造りの神殿の中の
庭園を抜ける、
本殿から内殿に続く
吹き抜けの廻廊。
美しい庭園を望み、
本来は癒しの風と日溜まりで
組織に勤める者達の気持ちを
優しく和ませる筈の場に
鋭く響く、激しい衝撃音。
穏やかな筈の場に満ちる
殺気と殺伐とした空気。
剣を持ち、
覆面で素顔を隠した７人の
正体不明の者達と
激しく打ち合う、
二人の聖司補佐官の青年。
一人は、
軽い癖毛の
ゴールドブラウンの髪に、
薄い琥珀の瞳。
殺伐とした状況の中でも
どこか、のんびりとした
雰囲気を纏い、
「ぅわッ！」
甘い顔立ちに
焦りの表情を滲ませ、
どこか気の抜けた声を上げ、
左脇を掠める
覆面の剣を避けると、
同時に斬りかかってきた覆面の
懐に素早く入り込み、
相手の鳩尾を叩き
昏倒させる青年、
†フィリル・N・リレリア†
そして、
もう一人は、
月夜の空を思わせる
深藍色の髪と切れ長の瞳に、
今は、
涼やかな夜の印象の顔立ちに
鋭い無言の闘気を滲ませ、
「…………………………」
正面から斬りかかる覆面の者を
無言で鋭く見据え、
降り下ろされる剣を敢えて、
ｶﾜ
寸前で躱し、
そのまま
覆面の者の腕を捕らえると、
「ッ!!!!」
背負うような反動で
覆面の者を容赦無く、
地面に背後から叩き落とし
昏倒させる、長身の青年、
†クロア･K･キセア†
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