†逢†

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披露目の舞踏会も無事に終了し 既に深夜近くになる時刻の 第5階層、ミレアの邸。 緩やかな曲線を描く門から続く 広い前庭に、 半円を描く前階段の中央に 両開きの重厚な扉を構えた、 白壁と濃い木茶の窓枠などの コントラスが美しい、 4階建ての広く大きな シンメトリーの造りの屋敷。 その敷地内に 本邸と同じく、 白壁と濃い木茶の コントラスを基調にし、 直線の前階段に 両開きの重厚な扉。 本邸程の大きさと広さは無いが それでも、他の屋敷よりは 充分に大きく広い3階建ての セキルの邸宅があった。 その中で天井高く、 緻密な風景画が 糸で繊細に織り画かれた タペストリーの飾られた、 広い応接間に、 広めの長椅子に座るアマリアと 真剣な表情で アマリアの傍らに立つセキル。 応接用の一人掛けの 重厚なに椅子に、 王者の如く、 威厳を宿し座る聖主に 聖主の傍らに控え立つミレア。 応接用の長椅子に 難しげな表情で 脚と腕を組み座るディフェルと その隣に黙想して座るレティス。 室内の扉の前には フィリルとガイル、 アマリアの側近となった イリスが控え立ち、 深夜にも関わらず、 皆が一つの場に集って居た。 室内に満ちる 深刻で緊張を孕む空気。 原因はただ一つ。 深夜近くの時刻になっても 本日、聖主、次期聖主の 逗留の場となっている ミレアとセキルの邸宅に 帰宅していないロアとクロア。
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