青空と白い雲

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カクテルをおかわりする度に 吉崎の目が座るのがわかり それと同時に本音を口にし始める。 「良いわよね寺沢君は。  天才肌だから何でもトップになれて。  それに跡を取る訳じゃないんでしょ。  何それ!  病院の後を継げ、さらに跡取りになる  お婿さんも連れてこいだなんてひどくない?」 ふーん。 俺は兄貴と一緒に会社の後を継げって言われて それが嫌で、医者になれば言われる事がないと 思って必死でここまで来ているんだ。 ま、そんな事吉崎に言ってみたところで 吉崎には届かない話だろうな・・・。 「俺はそのお婿さん候補か・・。」 「流石!察しが早い。」 勘弁しろ!! 「本当は浅川君が良いかなー  って思ってたんだけど、  浅川君いきなり出来ちゃった結婚しちゃうし。」 おい!!俺は浅川の代わりか・・・。 「寺沢君は性格が難しいから・・。  でも、入学した時は貴方に最初は 憧れてたのよ。」 言いたい放題になってきたな。 吉崎は吉崎で悩みながら生きているって事か。 「吉崎は吉崎で頑張ってると思うけどな。」 「ホント!!?」 おい!なんでそんな目を輝かせる。 「寺沢君にそう言って貰えるとすっごく嬉しい。」 おい!!絡んでくるな!! 吉崎、完璧に酔っ払って居るな。 まずい。 「吉崎!!帰るぞ!!」
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